ナツメグのサクっと作曲 ”コツを探れ”

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JASRAC vs 音楽教室問題を考えてみる

 

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  今日は、最近騒がれているこの問題に対して個人的な意見を書きたいと思います。ちょっと記事が固くなるかも・・・。
 
 ヤマハなど大手音楽教室の団体数社がJASRAC音楽教室からの著作権使用料徴収に対して抗議しているのですが、僕が思うには、JASRACは法律に基づいて粛々と自らの仕事をしているだけということ。
 
 以前、ジャズ喫茶にJASRACが使用料徴収の取り立てを行って一部店がつぶれたという噂があったりして、ネット上で炎上したしたことがありましたが、あれもあくまで法律にのっとってするべき仕事をしただという印象です。
 店側はちゃんと使用料を払って経営が成り立つ努力をしなければいけなかったのです。今まで見逃されてた部分がしっかり見直されたというだけですから。
 
 音楽教室の問題に話を戻しますが、
この問題のきっかけは2000年に著作権法附則14条が廃止されたことらしいです。
 
附則14条とは
”一部の業態でレコードなどの録音物の再生演奏については出所を明示さえすれば無料で利用できるというもの”(東洋経済ONLINE 藤尾明彦 著 「ヤマハJASRAC、著作者はどちら側に立つか」より引用)
 
 

徴収の公平性

 
 フィットネスジム、カルチャーセンター、歌謡教室、ダンス教室からはすでに徴収はしている状態です。
なのになぜ音楽教室最大手のヤマハは徴収を拒めるのか。(2003年からJASRACヤマハに交渉開始しています)
著作物である音楽を使用して売り上げをあげている以上(今回は演奏権が争点)、公平性の観点からもそれは違うんじゃないかなと。
ただし今、JASRACが提示している2.5%という徴収料率に関してはいろいろ議論はあるでしょうが。
 
いちよう補足すると、学校での授業の演奏は徴収対象外にしています。
 
 
 そもそも、JASRACは作詞・作曲者のような著作権者の代表(窓口)組織のようなものです。世間では、一部に、悪がしこい偉い人が甘い汁を吸っている団体!?みたいな印象があるようですが、一般社団法人なので設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与えることはできません。

 

 
 現在、この問題をめぐりヤマハ音楽振興会などの「音楽教育を守る会」約340会員のうち、270会員が集団提訴に賛同したとのことで、今後も動向を見守りたいと思います。
 
 
 
 
参考記事 
 
栗原潔 著「対JASRAC訴訟、ヤマハに勝ち目はあるか」
 
藤尾明彦 著 「ヤマハJASRAC、著作者はどちら側に立つか」