ナツメグのサクっと作曲 ”コツを探れ”

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耳コピは作曲の筋トレだ!

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先日、ある指定する曲の耳コピをしてできるだけ忠実に再現し制作するという仕事がありました。
10年以上前に着メロ制作の仕事をして以来のかなり本気の耳コピをすることになりまして。
 

本気の耳コピは作曲能力の体幹を鍛える

 
お題は1分程度で民族的なものだったりオーケストレーションだったりの曲をできるだけ忠実に再現することでした。使用目的はゲーム音楽。原盤は使えないけど使用料を払える予算があるときなんかは割とあるパターンですね。
 
最初は少しなめてかかっていまして、「音を取ればいいんだろ」程度に考えていました。
着メロだったらそれでいのですが、今回はオーディオ納品で質感や雰囲気をできるだけ再現しなければOKになりません。
 
正直すっごく苦労しました。
 
音は取れるのですがストリングスの質感がどうしても近づけなかったり、複雑に絡み合っているパーカッションの数々のノリがどうしても掴めなかったり・・・
 

今ある環境でできるだけハイクオリティなものを 

 
手持ちの機材、ソフトをいじって、EQやコンプ、トランジェント系プラグインを駆使して”ノリ”を近づけたり質感を調整したりしました。MIDI編集だけで思い描く音像にはなかなか近づきません。
リバーブも曲の雰囲気を再現するのに重要な要素なのであれやこれやと試したり。
 
そして意外に苦労したのが耳コピする態勢の”耳”になるまでちょっと時間がかかったことです。
耳の態勢が整うと、後ろでなんとなくなっている楽器まで不思議と聴こえてくるものなのですがその状態になるまで少しかかってしまいました。前後の小節を聴いてフレーズの流れをある程度想像することも手助けにはなりますが。
 
色々試行錯誤を重ねなんとか納品。OKもいただき一安心。
 
結果、オレってこんなサンプル持ってたんだ!(片っ端からストリングスのサンプル聴いて確認した)とか、こんなプラグインの使い方もあったんだよな!とか色々発見、再確認できて、ギャラ以上にプラスなことがありました。
もちろんフレーズや和声・楽器のコンビネーションなどは嫌という程聴くうちに血肉になっていきます。幅は否応なく広がりますよね。今回は音楽性も好きな感じだったので疲れはしましたが楽しい仕事となりました。
 
忘れていたこの感覚!時々やらなきゃダメだなと思う次第でした。