ナツメグのサクっと作曲 ”コツを探れ”

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クラシック名曲をアレンジしてポップスに生まれ変わらせる手法

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今日はクラシックの名曲をアレンジして極上ポップスにしてしまうという話です。
 
 まず、実際クラシック名曲に歌詞をつけて新しくポップスに生まれ変わらせた例を紹介します。いずれも取り扱っているクラシック曲は今現在ではでは著作権が切れた*パブリックドメインの曲です。
 
*著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態のことをいう
 

クラシック・リアレンジの名手 エリック・カルメン

 
 ラフマニノフの美しすぎるメロディをうまく生かしてポップスに生まれ変わらせ大成功したエリック・カルメンというアーティストがいます。
 
エリック・カルメン  「恋にノータッチ」

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原曲 ラフマニノフ  「交響曲第2番第3楽章」の印象的なメロディをサビに持ってきて、Aメロ・Bメロはそれに合うようにオリジナルで作曲しています。
 
 
もう一つ
 
 
 
エリックカルメン  「オール・バイ・マイセルフ

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原曲 ラフマニノフ  「ピアノ協奏曲第2番 第2楽章 
 
こちらは「恋にノータッチ」とは違い、サビ以外のところに「ピアノ協奏曲第2番 第2楽章 」を持ってきて、それに合わせてサビを作ったであろうパターン。
(実際はサビが先にできていたのかもしれませんが)
 
 オリジナルのサビのメロディとの相性が絶妙!特にサビ前4小節のピアノ協奏曲第2番の特徴的な美しいクラシック的フレーズが思いっきりポップなオリジナルサビのメロディと繋がって最高のバランスを作っていますね。
 ちなみにサビのメロディは自身が加入しているバンドのために書き下ろした曲から持ってきているとのこと。頭の中で自作曲の管理がしっかりできているのかな。でないと、「これとこれを繋げよう!」という発想にはなりませんよね。
 
 ちなみにJASRACの登録を見てみると作曲者登録は エリック・カルメンラフマニノフ  二人になっています。
 

日本でクラシックをリアレンジしたヒット曲

 
 
 平原綾香の大ヒットした「ジュピター」が有名です。

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原曲 ホルスト 組曲「惑星」より「ジュピター」

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 この曲は完全に曲のテーマ部分のメロディ(動画の3,09あたり)をそのまま使っていて、エリック・カルメンのようにオリジナルメロディを加えたりすることはしていません。まぁタイトルもそのまま使ってますからね。平原綾香の独特な歌声が曲にマッチして、それこそ独特な世界観を生み出しています。
 
他にも、
ちょっと時代が遡りますが、
ザ・ヴィーナスの「キッスは目にして」がベートーベンの「エリーゼのために」を使用してます。
 
 こちらはかなりメロディにアレンジしたり、オリジナルメロディのセクションを加えたりしています。あのベートーベンをコテコテのオールディーズアレンジにした点や、メロディそのものの捉え方に抜群のセンスを感じてしまいます。
 
 しかしながらJASRACの登録を見ると作曲はベートーベンのみになっています。メロディを加えた部分に関しては編曲の範疇ということなんですかね。
 
 
 

おわりに

 
 パブリックドメインの楽曲をうまくポップスにアレンジして、自分のテイストを打ち出すのはプロ・アマチュア問わずアリだなと思います。数え切れないほどの名曲がパブリックドメインとして利用できる環境にあるわけですから。
 著作権フリー音源販売サイトのオーディオストックでもクラシック曲のいろんなアレンジ版が販売されていてわりとよく売れていると聞きます。ぜひ挑戦して見てはいかがでしょう。