ナツメグのサクっと作曲 ”コツを探れ”

音楽制作のTipsを中心に映画、旅の話題なども。

今更ですけどLaLaLandについて雑感

今日は映画ネタをひとつ。
 
 映画館で見てから結構たっちゃうのですが、いろいろなひとが感想をネットなどに書いている中で僕なりの感想を。
正直ミュージカルは今まで苦手で映画も舞台も避けていたところはあったのですがLaLaLandは予告編を見てピンときたので見に行きました。
はっきり言って僕は好きですね。
 
 物語としてはまぁ普通な恋愛サクセスストーリーの枠はでていないしセリフや設定に違和感を感じるところはちょこっとありました。
詳しいことはネタバレになっちゃうので控えますが。
 
 でもそれを凌駕する何かがあれば印象は悪くなるはずがないんです。
個人的には今回それは音楽のクオリティと、長回し含めた踊る様なカメラワークと映画全般に漂うレトロな色彩感だったんです。
 
 ある著名な映画音楽作曲家のセミナーを受け時の話で「スターウォーズの飛行船を見て、”あんなの模型だろ、つまんねー”というつっこみをする人はいない。
ただし飛行船に吊るしてある糸が見えてしまっては興ざめして見る気になれない、見る気が失せる(CGのないころのスターウォーズの話ね)」という話があった。
今回はちょっとそれとはズレるかもしれないが創作ものとして根底で何かつながっている節はあるなぁと感じた。
「こんなところで普通歌い出さないでしょ!」というミュージカルを敬遠してる人のありがちで毎度なつっこみも全体的な圧倒的完成度のなかではなんともしょぼくて弱いツッコミになってしまう。設定やセリフの矛盾などもとるにたらないものに思えてしまう。
 
 
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 しかしながら音楽を担当したジャスティン・ハーウィッツは弱冠32歳にして全編にわたってあんなクオリティの高い楽曲を制作したとはなんともすごい! あのオープニング曲は一発で決まったのだろうか、それとも何曲か制作したデモの中から監督が選び、直しを重ねた結果だろうか、僕も映画音楽に関わる身として大変気になるところだ。
 映画を見る前にサントラの予習はしたのだが最初の印象は「まぁ、ミュージカルってこんな感じの音楽だったよね」くらいだったのが、映画を観終わった後にサントラ聴くと、なんとまぁ素晴らしいことか。イントロのピアノで踊りだしたくなるような・・・。
 
 それと監督のデミアン・チャゼルは「LaLaLand」が撮りたくてその資金調達のために前作の「Session」を作ったという話を聞いたことがあるがそれがホントなら変態的にすごい。映画なんてそうとう高額予算をつぎ込んでも大ゴケして財政難に陥るケースも多々あるなかで、絶対売れると見込んでの”あの”「Session」をつくったとは・・・。もうなんもいえねぇ(古すぎる)