ナツメグのサクっと作曲 ”コツを探れ”

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歌のディレクションはもはや作曲の範疇である

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 ポップスを作曲してて、メロディを書いてラフアレンジをして「よし!良い曲ができたぞ!」と思いきや実際歌を録音してみたら「何か違うぞ」と感じることは作曲する人なら誰しも経験あると思います。
 
曲には手応えがあったのに・・・
どこが原因でしょうか?
 

最初のイメージと何か違ってしまう原因

 
ズバリ、歌い手との歌の解釈の意思疎通ができていないことが大きな原因です。
 楽曲コンペなどで仮歌を入れる際、誰に頼むか、どういう風に歌ってもらうかを考えることはとても大切な成功の要素です。
 最近はネット上のデータのやり取りで仮歌さんから歌のトラックを受け取ることが普通になってきていますが、その際の依頼はメールでのやり取りになります。
 丁寧で敬意を払った言い回しと説明が大前提になります。だいたいの方が実際会ったことも喋ったこともない方なので、いつも以上に丁寧なコミニュケーションを心がけます。相手にまず信頼されなければよい歌は録音できませんからね。
 
 仮歌さんとの付き合いが長くなれば、歌い回しやフィーリングなどわざわざ説明しなくても理解してもらえるケースもあります。
しかし、ほとんどのケース、カラオケとガイドメロだけでは解釈にズレが生じるケースが多いです。
 

丁寧に伝える作業 コミニュケーションスキルは必須

 
 例えば、そこは誰々の何々という曲のサビみたいな感じに歌い上げて・・などと具体例を挙げながら、参考曲も添付したりして丁寧にイメージを伝えます。できるだけ録音する前にお互い不安要素をつぶしておくのです。
 ある程度歌える人ならば、これでかなりイメージに歌を近づけることはできるでしょう。リテイク(やり直し)をお願いする際も最大限敬意を払いつつ気持ち良く歌ってもらうことが大事です。嫌嫌やり直しをされてもそれはすぐに歌に反映されてしまいますから良い結果にはなりません。
 
 僕もネット上のやり取りは多いですが、この間スカイプディレクションしながら歌の録音をした時は、相手の表情も見られるのでコミニュケーションも取りやすくスムーズに仕事ができました。とっても有効な手段だなぁと思いました。
 

仮歌さんとの出会いには妥協しない

 
 できれば、理想の仮歌さんが見つかるまで根気強く探すことが結果的に曲が採用される近道になります。またコンペでなくても仮歌が必要なプレゼン場面は結構あるので一度、理想の仮歌さんに出会えればとっても強い武器になるはずです。
 仮歌さんを変えた途端採用が増えたという話も実際に聞きます。(仮歌さんには穏やかな話じゃないかもしれませんが)
 
 
おわりに
 別にコンペ仕事に関わらず自分のバンドや、ユニットで歌を入れるケースは多々あると思うのですが、相当相性が良くて意思疎通ができていない限り、録音前に丁寧にコミニュケーションをとってイメージを具体的に伝えることが楽曲クオリティに大きく影響してくるのです。ただ、アーティストとして活動する場合、ボーカリストの歌の解釈も受けとめて尊重して、一緒に最善の方向性を探っていくことになります。作家活動と違うのはそこですかね。
 歌が入って、予想をはるかに超えたクオリティに楽曲が昇華することもよくあることなので、そんな時は本当にテンションが上がって、この仕事をやってて楽しすぎる瞬間でもあります。